JIS Q 21500:2018とは?#
プロジェクトマネジメントの「手引書」
- 正式名称は「プロジェクト,プログラム及びポートフォリオマネジメント-プロジェクトマネジメントの手引」
- 国際規格である「ISO 21500:2012」を基に作成されている。
- プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKをベースにしているため、共通点が多い
応用情報技術者試験で押さえるべき2つの軸#
JIS Q 21500について応用情報技術者試験では、「5つのプロセス群」と「10の対照群」が頻出
5つのプロセス群#
| プロセス群 | 説明 | プロセス |
|---|---|---|
| 立上げ | プロジェクトを開始し、目標を定義し、プロジェクトマネージャに権限を与えるために使用 | プロジェクト憲章の作成・ステークホルダの特定・プロジェクトチームの編成 |
| 計画 | プロジェクトの目標を達成するための作業方針を確立し、計画を策定するために使用 | 全体計画の作成・スコープの定義・WBSの作成 |
| 実行 | 計画に従ってプロジェクトの作業を遂行し、成果物を作成するために使用 | 作業の指揮・ステークホルダの管理 |
| コントロール(管理) | プロジェクトの進捗を監視・測定し、計画との差異を是正するために使用 | 変更の管理・資源の管理 |
| 終結 | プロジェクトやフェーズを正式に完了させるために使用 | プロジェクトの終結・教訓の整理 |
10の対象群#
| 対象群 | 説明 |
|---|---|
| 統合 | プロジェクト全体の様々な要素を調整・統合 |
| ステークホルダ | プロジェクトに関係する人々を特定し、その要求や期待を管理 |
| スコープ | プロジェクトで実施すべき作業(と実施しない作業)を定義し、管理 |
| 資源 | プロジェクトに必要な要員や設備などを計画し、管理 |
| 時間 | プロジェクトのスケジュールを作成し、進捗を管理 |
| コスト | プロジェクトの予算を見積もり、管理 |
| リスク | プロジェクトの不確実性(リスク)を特定、分析、対応 |
| 品質 | プロジェクトの成果物が要求事項を満たすように保証・管理 |
| 調達 | 外部から製品やサービスを購入・獲得するためのプロセスを管理 |
| コミュニケーション | プロジェクト情報を適切に計画、作成、配布、保管、管理 |
過去問#
応用情報技術者試験平成31年春期の午前問題問51
問題文#
JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,プロジェクトマネジメントの"実行のプロセス群"の説明はどれか。
選択肢#
ア:プロジェクトの計画に照らしてプロジェクトパフォーマンスを監視し,測定し,管理するために使用する。 イ:プロジェクトフェーズ又はプロジェクトが完了したことを正式に確定するために使用し,必要に応じて考慮し,実行するように得た教訓を提供するために使用する。 ウ:プロジェクトフェーズ又はプロジェクトを開始するために使用し,プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの目標を定義し,プロジェクトマネージャがプロジェクト作業を進める許可を得るために使用する。 エ:プロジェクトマネジメントの活動を遂行し,プロジェクトの全体計画に従ってプロジェクトの成果物の提示を支援するために使用する。
正解と解説#
選択肢エが正解
その他の選択肢は下記
- 選択肢ア:管理のプロセス群
- 選択肢イ:終結のプロセス群
- 選択肢ウ:立ち上げのプロセス群